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2008年05月28日(水) 12時00分

どんな悪影響があるの? 「飛行機内では電子機器NG」の謎R25

「航空機器に悪影響を及ぼすことがございますので、機内では携帯電話の電源をお切りください」

そんなアナウンスがおなじみなだけに、今や「航空機内ではケータイOFF」というのは常識だろう。事実、乗客が携帯電話の電源を入れていたため、離陸が延期された——なんてニュースを耳にすることもある。各航空会社に確認してみたところ、機内への電子機器持ち込みのガイドラインは国土交通省が定めている。電源状態に注意すべきアイテムは「搭乗中は常に電源オフ」「離着陸時のみ電源オフ」の2タイプに分けられるようだ。

●搭乗中は常に使用禁止の電子機器
ケータイ、電子ゲーム(無線機能を使うもの)、無線式ヘッドホンなど

●離着陸時のみ使用禁止の電子機器
パソコン・電子ゲーム(搭乗中は無線通信機能オフが条件)、充電器、デジタルオーディオ機器、デジタルカメラ、音声認識機能つき愛玩用玩具、電子辞書など

現在位置を基地局に知らせるために電波を発するケータイはもちろん、無線通信機能を持つニンテンドーDSやPSP、無線LANカード搭載のノートPCなど、「電波を発信する」機能は軒並み使えない。使用機会があるかどうかはさておき、車の無線式キー、無線式マウスもNGだ。

しかし、無線通信機能など備えていないデジタルオーディオプレーヤー、デジカメまで離着陸時の使用禁止機器なのはナゾ。手のひらサイズのアイテムが航空計器に影響を及ぼすとは考えにくいけど…。運航に影響を及ぼす電磁波について、日本乗員組合連絡会議副議長・桝谷俊次さんに教えてもらった。

「デジカメなどの電子機器を動かすコンピューターは、クロックと呼ばれる高周波信号を発します。この高周波信号は機器外部に「漏れ電磁波」を放射し、機体内部の配線を介して、飛行機を運航するシステムの誤作動を引き起こす恐れがあります。航空機の運航で最も危険度が高まるのは離着陸時。かつて、着陸時に自動操縦装置が機体を大きく左に傾け、危険な状態に陥った事例がありました。これはCDプレイヤーの影響が疑われています」

現在、日本国籍の航空機内でNG電子機器を使用し、機長の命令に背いて中止しなかった場合は50万円以下の罰金が科せられる——いや、それ以前に、これらの機器の使用が運航の安全を左右するのだ。PCもスリープ状態で安心せず、キッチリ電源オフが望ましい。しっかり肝に銘じておくべし!
(R25編集部)

どんな悪影響があるの? 「飛行機内では電子機器NG」の謎の詳細情報

※コラムの内容は、フリーマガジンR25から一部抜粋したものです

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