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2008年05月28日(水) 00時00分

アクセス前社長も逮捕 不透明な資金の流れも捜査朝日新聞

 ジャスダック上場のシステム開発会社「アクセス」(大阪市中央区)の決算粉飾事件で、神戸地検特別刑事部は28日、創業者で元社長の村上次男容疑者(59)に続き、前社長の北博之容疑者(52)=大阪府東大阪市上石切町2丁目=を証券取引法(現・金融商品取引法)違反の疑いで逮捕した。

   

 また、同社の社内調査で、同社から約20億円の不透明な資金が支出され、村上容疑者とかかわりの深い韓国の会社に流れたとみられることが判明。資金の一部は行方がわからなくなっている。地検は村上容疑者が関与したとみて、商法(現・会社法)の特別背任などにあたる可能性も視野に捜査している。

 両容疑者は、アクセスの05年3月期決算が約10億円の赤字だったのに売り上げの前倒し計上で約2億円の黒字と装い、有価証券報告書に虚偽の内容を記したとして逮捕された。容疑について、当時社長だった村上容疑者は「正しい会計と思っていた」と否認、会計担当役員だった北容疑者は「村上容疑者の指示でやった」と認めているという。

 一方、同社から不透明な資金が支出されたのは02年7月〜07年3月。取引先に「ソフト開発代金」として約20億円が渡り、この取引先は「ソフト購入代金」として村上容疑者が実質支配する韓国のソフト販売会社に約17億円を支出したが、いずれも架空取引だった。その後、韓国の会社はシステムのリース料としてアクセスに約12億円を支払った。

 アクセスは社内調査の結果、韓国の会社が資金難に陥ってリース料が払えなくなり、アクセスの売り上げを維持するために資金を還流させ、一部が行方不明になったとみている。韓国の会社の実態を知っていたのは村上容疑者だけだったという。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200805280083.html