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2008年05月28日(水) 00時00分

京都、福井、島根、採血器具使い回し 肝炎調査へ朝日新聞

 島根県の医療機関が厚生労働省の通知に反して採血器具を複数の患者に使い回していた問題で、京都府や福井県勝山市は28日、保健所などで使い回しが行われていたと発表した。自治体側はこれらの患者に肝炎やHIVウイルス検査を行うという。

京都で使い回しされたのと同型の採血器具。下がキャップ=28日午後、京都府庁 島根県浜田市で使い回しが発覚した2種類の採血器具。針を交換し、左のキャップ部分の上端を消毒して使っていた

 京都府によると、山城北保健所(同府宇治市)が06年9月と07年2月に同府京田辺市で実施した糖尿病予防の血液検査で、採血器具を計22人に使い回していた。針は一人ひとり交換していたが、部品や本体はアルコール消毒しただけだった。福井県では県国民健康保険団体連合会が、キャップを消毒するだけで複数の自治体に採血器具を「貸し回し」していた。借り受けるなどした同県勝山市では06、07両年に糖尿病予防事業で計41人が使ったという。

 また、島根県は同日、県立中央病院(同県出雲市)など県内の54施設が採血器具を使い回していたと発表した。松江赤十字病院(松江市)は入院患者に練習用に貸与した器具を、退院後に別の入院患者に渡す形で約140人が器具を使い回していた。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200805280072.html