記事登録
2008年05月28日(水) 00時00分

船場吉兆使い回し、新たに8品目 料理は「下座の客に」 朝日新聞

 牛肉の産地偽装や料理の使い回しなどで経営が悪化し、再建を断念した高級料亭「船場吉兆」(大阪市中央区)は28日、客に出した使い回しの料理が新たに8品目あったことを明らかにした。使い回し発覚後に実施した従業員へのアンケートで判明したという。代理人によると、従業員はこれらの使い回しの料理について「下座の客に出すことが多かったように思う」と話しているという。船場吉兆は同日午後、大阪市に廃業届を提出し、受理された。

 新たな使い回しについては、大阪市内で同日開かれた記者会見で公表された。女将(おかみ)の湯木佐知子社長(71)や代理人弁護士によると、アンケートは全従業員を対象に無記名方式で実施。その結果、これまで判明していたアユの塩焼きや刺し身の添え物などに加え、「フルーツ寄せゼリー」「たたみいわし」「あわび」など8品目も再利用していたことが分かった。

 船場吉兆は今年1月に民事再生法適用を大阪地裁に申請し、営業を再開。この時点での債務は約8億円だったが、今月2日に本店や博多店(福岡市)を含む全料亭の使い回しが発覚して客が激減した影響などで、約9億円に増加した。

 代理人によると、大阪地裁は28日、船場吉兆の申し立てを受けて民事再生手続きの廃止を決定し、保全管理命令を出した。今後、同社は保全管理人のもとで破産手続きに移行する。同社はこの日、廃業を届けるとともに大阪市長名の営業許可証も返還した。

http://www.asahi.com/kansai/sumai/news/OSK200805280076.html