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2008年05月27日(火) 00時00分

地震の揺れは大気伝わり上空の電離層さえ動かす 京大朝日新聞

 04年12月に起きたマグニチュード(M)9以上だったスマトラ沖大地震の際に、地面の揺れが大気を伝わって高度100キロを超えた場所にある電離層を動かしていたことがわかった。電離層の振動は5時間近くも続き、影響が長い時間にわたって残ることも明らかになった。千葉市で開催されている日本地球惑星科学連合大会で28日発表される。

   

 京都大学地磁気世界資料解析センターの家森俊彦教授らが解析した。スマトラ沖大地震の際に、タイ東北部で地表近くの磁場変化を測定。約3.6分周期の極めて小さな磁場変化が地震発生直後から起きていたことを見つけた。電離層内にあるプラスとマイナスの荷電粒子が揺れたことで、電流が発生し、磁場変化をもたらしたと判断した。

 07年4月に起きた三重中部地震(M5.4)の際には、磁場だけでなく、気圧も観測し、ほぼ同じ周期で揺れていることを確かめた。四川大地震でも同様の現象が起きていないか、調査を続けている。

 家森教授は「地震によって電離層が揺れると電磁波が出る。電磁波は宇宙に向けて発信されている可能性があるので、次はそれを捕らえたい」と話している。(久保田裕)

http://www.asahi.com/kansai/sumai/news/OSK200805270121.html