記事登録
2008年05月27日(火) 22時28分

どんな味?宇宙生まれのビール サッポロ製造へ朝日新聞

 サッポロビールは27日、自社で開発した大麦「はるな二条」の種子を使い、世界で初めて宇宙で大麦を発芽させ、生育に成功したと発表した。11月、この大麦の子孫を使って「宇宙ビール」と「宇宙麦茶」を製造するという。

宇宙で栽培された大麦の子孫と岡山大の杉本学准教授(右)=東京都内

 サッポロは06年から、岡山大学の杉本学准教授(細胞分子生化学)と宇宙での大麦栽培の共同研究を進めている。杉本准教授は、ロシア科学アカデミー生物医学研究所(IBMP)による国際宇宙ステーションでの研究に参画、宇宙環境の大麦への影響を調べてきた。

 06年の実験では、はるな二条の種子26グラムを宇宙ステーションで5カ月間保存。発芽した一部を箱形の栽培装置の中で28日間生育させ、地球に持ち帰った。できた大麦を調べたところ、地球で収穫されるものと大きさ、穂の数がほぼ同じだったという。

 「宇宙産」大麦の子孫を使って作られるビールは大びん100本分程度といい、市販はしない方針。一般の人による試飲を検討している。サッポロはこれまで年間約1千万円をこの事業に充ててきており、今後も同程度を支出していく考えだ。はるな二条は、関東中心に栽培している。(五十嵐大介)

アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/business/update/0527/TKY200805270382.html