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2008年05月27日(火) 22時08分

採血器具使い回し、肝炎感染か 島根の診療所朝日新聞

 島根県の診療所で血糖値を測定する採血器具の針を交換せずに37人に使い、一部患者がB・C型肝炎に感染した恐れがあることがわかった。厚生労働省は27日、全国の医療機関を対象に、使い回しなど不適切な使用事例がないか実態調査を始めると発表した。

島根県の診療所で使い回されたものと同種の採血器具。胴体部のボタンを操作すると先端から数ミリの針が出て、微量の血液が採れる。「複数患者使用不可」のシールが張られている

 都道府県を通じて、週内にも全国約11万の診療所や病院、老人保健施設に調査票を送り、6月中に結果をまとめる。

 対象器具は、この診療所などで使われていたロシュ・ダイアグノスティックス社の「マルチクリックス」や同種の製品で、計8社23製品。指先などにあててボタンを押すと先端から針が出て、血液が採取される。針は交換できるが、患者1人が繰り返し使用する前提。複数の患者に使うと、針周辺の器具に残った微量の血液でウイルス感染などの恐れがある。

 だがこの診療所では複数の患者に使い、針交換の操作も怠っていた。診療所側は「針は自動的に交換されると思っていた」と話しているという。

 県調査で、同種器具の使い回しが46施設から申告されたため、事態を重視した厚労省は全国調査を決めた。

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http://www.asahi.com/national/update/0527/TKY200805270376.html