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2008年05月27日(火) 12時00分

乗り物酔いのメカニズムに迫る!R25

忙しくて、タクシーで移動中に書類に目を通さなきゃならないときとか。気持ち悪くなって、ヤベ吐きそう…なんて経験ありませんか?子供のころならいざしらず、大人になってもなるときはなっちゃう乗り物酔い。どうしてウェッてなっちゃうんだろう。酔いやすい体質ってあるんでしょうか?

「同じ状況にいても症状が出る人出ない人がいますが、これは体質とは関係なく、脳に入ってきた情報の処理の仕方の違いによるものです」とは、乗り物酔い研究の権威で、東京厚生年金病院・耳鼻咽喉科部長の石井正則先生。

「大脳辺縁系の中に、入ってきた情報を〈快〉か〈不快〉で判断する場所があるんですが、ここで不快だと判断された場合は自律神経系に不快という情報が送られて、吐き気や目まいといった酔いの症状などが出るわけです」(同)

同じ情報でも人によって快か不快かに分かれるのは、大脳辺縁系が記憶と非常に密接な部位であり、過去の経験や記憶に基づいて反応しているからなのだとか。

「何度も同じ情報が入ってくるとだんだん不快なレベルが下がって、慣れていきます。ただしこれは同じ環境での場合。大きな船に慣れている人が小さな船に乗ったとたんに酔うこともあります」(同)

また、乗り物酔いには心理的なストレスも大敵なんだそうです。ストレスが溜まってる人、要注意です。

「最近、30〜40代の男性の間で、ある日突然、今まで酔わなかった電車やモノレール、スムーズに飛んでいる飛行機で酔ってしまう症状が増えています。俗にいう自律神経失調症や、さらにはうつ病の初期症状の可能性があります。この症状が出たらなるべく早く専門医の診察を受けることをおすすめします」(同)

自分が今おかれている状況を脳が不快と判断することから起こる乗り物酔いは、“自分にとっての不快”のキャパのバロメーターなのかもしれません。侮るべからず、です。
(R25編集部)

乗り物酔いの誘発要因を見る

※コラムの内容は、フリーマガジンR25から一部抜粋したものです

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