京都市南区の路上でパートの女性（４５）が自転車の男に刺され、現金約１２万円入りのバッグを奪われた事件から１週間。強盗殺人未遂容疑で京都府警が逮捕状を取った石津淳容疑者（４０）＝殺人未遂容疑で大阪府警が指名手配＝の行方は不明のままだ。大阪府枚方市で少年が切りつけられた事件から２週間、逃走を続けているとみられる。二つの事件の前後には、京都府南部や枚方市で石津容疑者の所在情報が集中しており、現場周辺では警戒が続いている。
石津淳容疑者＝大阪府警提供京都事件の現場に近い京都市南区の同市立上鳥羽小学校や京都府宇治市の市立木幡小学校は、保護者や教師らが付き添うなどして集団登下校を実施。２７日午後には、府内の私立中高校の校長らが集まり、防犯対策などについて情報交換する緊急会議を開く。
京都府京田辺市では、市教委や学校がメールなどで保護者と連絡を取り合う「子ども安全連絡網」を活用し、下校時間などを知らせている。同市教委の担当者は「時間がたつと緊張感がゆるみがちになる。早く解決してほしい」と話す。
京都事件の現場にはナイフのケースが残されており、石津容疑者が今も凶器を所持している可能性があるという。
最初の枚方事件が起こったのは１４日午後８時半ごろ。大阪府警は、リュックに通帳や運転免許証などを詰め、自転車で逃走したとみて、翌１５日に写真を公開した。
石津容疑者は１７日夕、京都市南区の靴量販店を訪れ、ワゴン積みの３９０円の運動靴を購入。その翌日、枚方市のＪＲ津田駅で似た男を警察官が目撃している。１９日午前１０時ごろには、枚方市と隣接する京田辺市付近に石津容疑者がいたとの情報を両府警がつかんでいる。その２日後の２１日、京都事件が発生した。
京都事件の約１時間後には、現場から約７キロ東の宇治市木幡で所在情報が確認された。しかし、その後の足取りは途絶えた。大阪府警は２６日、枚方署に捜査本部を設置。両府警は中部や中国地方のインターネットカフェやコンビニエンスストアなどにも情報提供を求め、連日４００人態勢で行方を追っている。