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2008年05月26日(月) 12時00分

ツカサが展開するネットルーム丸1日で1300円の理想と現実R25

「ネットカフェ難民」という言葉が『新語・流行語大賞』のトップテン入りしたのは去年のこと。住所を持たないので定職にも就けず、その日暮らしを余儀なくされる。そんな状況を見て「これはイカンッ!」と立ち上がったのが首都圏を中心にマンスリーマンションを展開する『ツカサ都心開発(株)』である。同社はネット環境の整った完全個室、その名も『ネットルーム』の提供を都内11カ所で開始した。驚きなのはそのお値段、24時間でなんと1300円だ。普通のネットカフェより断然オトク。でもそんなんで利益はあがるの? 疑問を晴らすべく同社代表の川又三智彦さんにお話をうかがった。

「賃貸の坪数が小さいから1カ月の単価で考えると十分採算は取れます」

なるほどしっかり商売にはなっているわけだ。しかし、そもそもなぜこのビジネスモデルを思いついたのか?

「ネットカフェ難民なんて言われている人たちの力になりたいというのが最初ですね。ネットルームは賃貸業ですが、敷金・礼金、保証人などの手続きは必要ありませんから誰にでも簡単に利用してもらうことができます。仕切りがあるだけのネットカフェよりも安くて仮眠をとるにも便利。この環境で英気を養って次の日からの活動に臨んでほしいと考えたわけです」(同)

うーむ、でもネットカフェ難民は減っても今度はネットルーム難民が増えるのでは?

「だから同時に希望者には就職支援も行います。こちらで社宅を用意し、弊社の運営する施設の清掃や管理作業などを依頼。正規雇用への道を開くというものです」(同)

いいことずくめみたいだが、システム開始から半年間で正式採用したのは3人。この数字、多いか少ないかは意見の分かれるところだろう。筆者としてはちょっと少ない気もするのだが…。

しかし、なにはともあれビジネスと社会貢献がドッキングした新しい試み。アンチ格差社会に一役買う存在になる可能性は大きい。
(R25編集部)

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※コラムの内容は、フリーマガジンR25から一部抜粋したものです

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