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2008年05月26日(月) 00時00分

奈良県御所市も採血器具を使い回し 年間15人程度朝日新聞

 奈良県御所(ごせ)市の市健康推進施設「いきいきライフセンター」が厚生労働省の通知に反して、糖尿病患者の血糖値を測定する採血器具のキャップを使い回していた。少なくとも02年度以降、年間15人程度から採血していたが、これまでに使い回しによる二次感染などの健康被害は確認されていない。市は対象者に肝炎検査の受診を促すことにしている。

 御所市健康増進課によると、同センターでは器具の針は1人ずつ交換していたものの、肌に触れるプラスチック製のキャップについては消毒しただけで使い回していたという。

 このタイプの採血器具について、厚労省は06年3月、血が付いた器具の使い回しによる肝炎の二次感染が英国で確認されたことから、使い回しを禁止する通知を全国の都道府県に出した。奈良県はこの通知について各市町村に個別に連絡せず、ホームページ上での注意喚起にとどめていた。

 市健康増進課は「センターの担当者は針を交換して、キャップを消毒すれば問題がないと判断していた。県からの連絡もなく、厚労省の通知は知らなかった」と説明している。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200805260078.html