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2008年05月26日(月) 00時00分

奈良県立4医療施設で不正な会計 4年間で6億5千万円朝日新聞

 奈良県は26日、県立の四つの医療施設で、当初予算額を上回った分の医薬品費などの計上を翌年度に回し、それに見合う額の診療収益も繰り延べて帳尻を合わせるという不正な会計処理があったと発表した。02〜05年度の4年間で総額6億4900万円にのぼる。すべての費用や収益を当該年度に割りあてることを定めた地方公営企業法違反の疑いがあるとみて、県は関係者の処分を検討している。

 不正な会計処理があったのは奈良(奈良市)、三室(三郷町)、五條(五條市)の各県立病院と救命救急センター(奈良市)。

 奈良病院では03年度、医薬品費やX線撮影用フィルムなどの診療材料費が当初予算額より計1億9200万円上回ったため、翌04年度に計上を繰り延べる一方、入院収益からほぼ該当する額を崩して同年度に繰り延べして充当。同様の方法で、4年間で総額2億2千万円の不正操作をした。ほかの病院などの不正額は、三室病院1億8800万円▽五條病院1億1600万円▽救命救急センター1億2500万円。県立医大付属病院(橿原市)でも同様の不正操作をした疑いがあるという。

 県は、高度な医療ニーズに対応するため費用が増加したが、財源不足で補正予算を組めなかったためだと説明。06年度以降は不正処理はないという。竹村潔・県健康安全局長は「会計処理上不適切で、当時、議会にも実態と異なる決算報告をしていた。おわび申し上げる」と陳謝した。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200805260071.html