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2008年05月26日(月) 00時00分

在日ミャンマー人の難民や学生ら、大阪で募金活動朝日新聞

 未曽有のサイクロン被害に遭ったミャンマー(ビルマ)の被災者を助けようと、日本で暮らすミャンマー人らが25日、大阪市内で募金を呼びかけた。軍事政権による迫害を逃れて日本で暮らす難民や留学生たちは、海外の支援が届かず、正確な情報も伝わってこない祖国の現状にいらだちを募らせている。

募金を呼びかける在日ミャンマー人ら=大阪市北区

 この日、大阪や名古屋で暮らす同国出身の難民や学生ら約20人が、JR大阪駅前で通行人に募金を呼びかけた。集めた義援金は、独自の方法で同国内の活動家に送り、食品や薬などが直接、被災者に届くようにしているという。

 名古屋市から来た大学研究員のミン・サンさん(44)は、最大の被災地、ボガレイの近くに住む親類の安否が確認できない。「電話も通じないのでインターネットの情報だけが頼りです」

 日本で難民認定を求めている民主活動家のアウン・ティン・ウーさん(29)は、法務省入国管理局から退去強制処分を受け、現在は仮放免の身分だ。それでも、「自分には支援してくれる人もいる。現地の人たちはもっと大変」と募金活動に全精力を傾ける。

 愛知県で暮らす同国出身の40代男性は1週間前、ヤンゴン市内の兄とようやく電話が通じた。兄の話では、被災地には軍の検問所が設けられ、支援者が簡単に入ることはできないという。男性は学生時代から民主化運動を続け、軍事政権に拘束された経験もある。「自分も今すぐ国に帰って何かしたい。だけど、そうすると日本には絶対に戻れない」とため息をつく。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200805250055.html