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2008年05月25日(日) 00時00分

2500万円相当、梅原龍三郎の油絵盗難 笠岡の美術館朝日新聞

 25日午後5時40分ごろ、岡山県笠岡市五番町、笠岡グランドホテル内にある美術館「ワコーミュージアム」から、「展示していた油絵が盗まれた」と笠岡署に連絡があった。なくなっていたのは梅原龍三郎(1888〜1986)作の油彩画「バラ」(縦58センチ、横45.7センチ)で、2500万円相当という。同署が窃盗容疑で調べている。

展示されていた梅原龍三郎の「バラ」(図録「ワコーミュージアム 笠岡ゆかりの芸術家たち」より)

 調べでは、美術館を運営するワコースポーツ・文化振興財団(吉岡洋介理事長)の男性職員(61)が、ホテル2階の展示室を閉めようと室内を見回った際、壁に掛けられていた「バラ」の額が下ろされ、油絵が抜き取られているのに気づいたという。

 美術館はホテルの1〜3階に設けた展示室に平山郁夫氏らの絵画や彫刻を展示。入場料は徴収しておらず、ホテル利用者の出入りは自由で、専属の警備員もいなかった。25日も通常通り午前10時から展示室を開放していたという。

 日本を代表する洋画家、梅原龍三郎は強い色彩を対比させた作風が特徴で、バラを好んで題材に選んだとされる。展示されていた「バラ」は約30年前、高島屋大阪店(当時)で吉岡理事長(75)が購入、財団に寄付したという。

http://www.asahi.com/kansai/kouiki/OSK200805250043.html