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2008年05月25日(日) 23時28分

温室ガス「50年には半減」 G8環境相、大筋で一致朝日新聞

 神戸市で開かれている主要国(G8)環境相会合は25日、地球温暖化問題で、2050年に世界全体で温室効果ガス排出を現状より少なくとも半減させるという長期目標を設定する必要性について、法的拘束力を持たせないことを前提に大筋で一致した。鴨下環境相が明らかにした。26日に発表する議長総括に盛り込む方向で文案を最終調整している。

 昨年6月の独ハイリゲンダム・サミットでは「50年半減」の長期目標について「真剣に検討する」としており、G8首脳が7月の北海道洞爺湖サミットで、この点をどこまで進展させられるかが焦点の一つとなっている。米国の代表も「ハイリゲンダムを超えるのは重要だと認識している」と話したという。議長総括に盛り込めればその弾みになる可能性があるが、国連気候変動枠組み条約事務局のブア事務局長が「50年をどうするかも大事だが、万能ではない。20年にどのような目標を立てて削減していくかが重要だ」と指摘するなど、なお課題は残る。

 温暖化問題をめぐるこの日の論議では、途上国からは、京都議定書に続く13年以降の国際的枠組みで削減に前向きな姿勢も出てきた。

 インドネシアのヒルマン副環境相は、エネルギー分野の温室効果ガス排出量を25年までに17%削減する方針を記者団に表明。「途上国には削減義務はないが、国としての削減目標は持つ」と述べた。

 メキシコのエルビラ環境・天然資源長官は記者会見で、温暖化被害を防ぐための独自の世界基金構想を発表。途上国にも排出量や国内総生産(GDP)などに応じて一定の資金拠出を求めるもので、「先進国の支援を待つだけではいけない。我が国は先進国と途上国の懸け橋になる」とアピールした。

 インドのミーナ環境・森林相は鴨下環境相との会談で、各国が削減のための国別行動計画をまとめることを提案。インド自身も近く計画を発表する方針を示した。

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http://www.asahi.com/politics/update/0525/TKY200805250165.html