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2008年05月24日(土) 15時03分

アフリカへ3億ドル融資 コメ増産・学校建設…50事業朝日新聞

 28日に横浜市で開幕する第4回アフリカ開発会議(TICAD)で、日本とアフリカ52カ国がまとめる「横浜行動計画」の原案が24日明らかになった。地場産業育成を目的としたアフリカ開発銀行への新たな3億ドル(約312億円)の円借款供与を柱に、17分野で約50の事業を盛り込んでいる。

  

  

 福田首相は28日の開会式で、現在は1千億円規模の政府の途上国援助(ODA)を12年に2千億円規模にすると表明する。アフリカ開銀への3億ドルのほか無償資金協力を積み増し倍増させる。使い道を定めるのが行動計画で、日本や世界銀行、国連開発計画など援助側の約束や数値目標を明記。アフリカ支援の国際的「マニフェスト」となる。27日の高村外相と参加国閣僚の事前会合で最終決定する。

 3億ドルの円借款は日本の国際協力銀行を通じて行い、アフリカ開銀が地場中小企業や起業家に低利融資する。日本が07年に初めて同開銀に拠出した約1億ドルに対しては、融資の申し込みが殺到した。資源高でアフリカ経済は活気づいており、融資枠拡大で経済の自立を後押しする。

 経済分野ではこのほか、世銀と共同で発電所や広域送配電網の構築を進めるなど産業基盤を強化。企業競争力の強化へ2500人を日本での研修に迎え、輸出拡大に向け日本からも専門家を派遣するなど人の交流も充実させる。

 教育分野では、小中学校1千校(児童・生徒40万人、5500教室分)の建設を約束する。10万人の理数系教師を育成し、指導者不足に対応。保護者など地域社会による学校運営を目指した「みんなの学校」事業も1万校に拡大し、公教育の基盤を整える。

 地球温暖化対策では、政府が創設した総額100億ドル(約1兆円)規模の資金メカニズムを活用し、最貧国での干ばつや洪水対策を強化。食糧問題では、ODAで日本政府が提案したコメ生産高の倍増を目指すことも盛り込む。

 計画の進み具合を確認するため、日本政府とアフリカ連合(AU)などは年次報告書を作成。閣僚級会合で対応策を協議する仕組みも新設する。(村山祐介)

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