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2008年05月24日(土) 00時00分

子ども環境サミット閉会 メッセージを環境相会合に朝日新聞

 世界21カ国・地域の子ども69人が参加した「子ども環境サミット in KOBE」が24日、3日間の日程を終えて閉会した。議論を尽くしてまとめた「メッセージ」は、この日開会したサミット環境相会合に提出される。

子ども環境サミットの閉会式で「メッセージ」を発表する参加者ら=24日午前10時、神戸市中央区、西畑志朗撮影

 初日の22日。参加した子どもたちは自国の環境問題を報告しあった。群馬県太田市の石原真子さん(11)は水道水の節約を訴え、「浮かした水道代を寄付してアフリカの子どもたちのためにワクチンを買おう」と提案した。干ばつに苦しむアジアやアフリカの子どもたちをテレビで見て、いたたまれない気持ちだという。

 モンゴルは金の高騰でゴールドラッシュにわき、採掘に使う水銀による汚染が深刻化している。アークヘット・バンチンクフ君(11)は「水銀中毒は水俣病のように発症するまで時間がかかるため、被害が知られにくい」と報告。福岡県久留米市の菊地貴之君(13)は「水俣病を知る日本が協力できることがあると思う」と答えた。

 2日目はみんなで、世界へ伝えたいメッセージの文言を練り上げた。「環境問題は人間によって引き起こされたと書いたらいい」「『利己的な』と付け加えるべきだ」。議論は白熱した。

 南アフリカのスクルク・ドゥ・プレシィ・バーガー君(14)は「環境問題のために何をなすべきかを、政府は人々に教えるべきだという自分の意見が反映された」。オーストラリアのフィリップ・ナシム・グタフ・ブレイク君(13)は「行動を起こそうというみんなの気持ちを表現できた」と話す。(浅野直樹)

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〈メッセージ要旨〉

 自らの欲求を満たそうとするわたしたち(人間)の行いが、地球温暖化などたくさんの環境破壊の原因となっている。このまま放置するとどうなるだろう? 土地を求めた戦争、飢饉(ききん)、自然災害の増加に直面するでしょう。地球を愛することを忘れないことが大切だと思います。でも、子どもたちだけでは地球を救うことはできません。お金だけでなく、食料や衣料、マンパワーを提供するシステムを大人たちでつくってください。学校で環境問題について教え、実行に移すような国際的な法律を施行して、安全な環境づくりを進めてください。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200805240021.html