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2008年05月24日(土) 13時28分

潘基文国連事務総長、四川省被災地入り 「支援惜しまぬ」朝日新聞

 【映秀(中国四川省)=阿久津篤史、北京=西村大輔】国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は24日、タイのバンコクから空路で中国四川省に入り、ブン川(ぶんせん)=ブンはさんずいに文=県映秀を訪れた。国連のトップとして初めて四川大地震の被災地を視察した。潘事務総長は被災地への国際社会の一層の関心と復興支援を呼びかける見通しだ。

震源地で被害の大きかった四川省ブン川県映秀で24日、中国の温家宝首相(左)と握手する国連の潘基文事務総長=代表撮影

 これに合わせて、被災地を訪れている温家宝(ウェン・チアパオ)首相もヘリで映秀に入り、潘事務総長と会談した。潘事務総長は「国際社会は中国がリーダーの指導の下に大地震にうまく対応していくと信じている。災害はどこでも起きるもので、国連はあらゆる支援を惜しまない」と述べた。

 温首相は会談に先立ち、記者団に対し「被災者の捜索救助が続けられているが、被災者のアフターケアと町の再建も重要で、3カ月以内に被災者が正常な生活を送れるように保証する」と述べた。

 潘事務総長は23日にサイクロン被災下のミャンマー(ビルマ)で軍事政権トップのタン・シュエ国家平和発展評議会議長と会談。その後、バンコクに移動していた。

 ブン川県は23日までに、1万3444人が死亡、行方不明者が1万66人おり、最も深刻な被害を受けた地域の一つ。

 中国政府によると、被災地全体の死者数は約5万6千人、行方不明者は約2万5千人。四川省政府によると、被災地は10万平方キロに及び、被災者は計2792万人。500万人以上が自宅を失うなどして避難。テントや食料品、医薬品などが不足している。国を挙げての支援活動が続く中、日欧米などの医療支援チームが相次ぎ現地入りして活動を始めている。

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