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2008年05月24日(土) 20時56分

四川大地震 22カ所の「土砂ダム」決壊の危険朝日新聞

 【北京=峯村健司】中国四川省政府は24日、四川大地震による土砂崩れで川がせき止められてできた「土砂ダム」を四川省内で34カ所確認し、そのうち22カ所は決壊や洪水の危険性が高いと発表した。すでに下流地域の約2万人を避難させた。

 四川省当局者によると、これらの土砂ダムが決壊した場合、最大で計100万人に被害が及ぶという。北川チャン族自治県の唐家山にあるものが最大規模で、水位が毎日3メートルずつ上昇、水量は1億立方メートルに達し、すでに2集落が水没した。

 早ければ18日後にあふれる恐れがあるため、軍などの部隊が24日ヘリで入り、爆破して水路をつくる準備に入った。ブルドーザーなど約80台の重機を空輸して10日間かけて作業する計画だが、天候が悪く後続のヘリが着陸できないという。25日からは2日間で100ミリを超える降雨が予想されている。また6月は年間降水量の3分の1の雨が降る時期で、地元当局は警戒を強めている。

 このほか、がけ崩れや土砂崩れなどが起きる可能性が高い地域が四川省で861カ所あり、11万人余りが危険にさらされているという。

 中国政府は24日、地震で確認された死者が6万560人、行方不明者は2万6221人に達したと発表した。被災者は4550万人に上っている。余震は24日正午までに7904回起きた。

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