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2008年05月24日(土) 20時57分

うーたん天国へ 朝日新聞前橋総局が保護して3年半朝日新聞

 「ウサギ追いし、地検前。30分かけて無事保護」——こんな見出しの記事が、04年11月11日の朝日新聞群馬版に掲載されました。右前脚に深傷(ふかで)を負った雄のウサギが前橋総局の記者らに保護され、心当たりのある人に連絡を求めるといった内容の記事でした。結局名乗り出る人はなく、「うーたん」の愛称でアシスタントの女性らに可愛がられ、元気に過ごしていました。

無邪気な姿をたくさんみせてくれたウサギの「うーたん」=前橋市大手町の朝日新聞前橋総局(女性スタッフ提供)

 しかし、天命なのか、そのうーたんが22日、昇天しました。獣医師の診断では、悪性の病気のようでした。3月末に倒れてから通院を繰り返し、一時は回復の兆しも見せましたが、22日午後11時ごろ息絶えました。

 総局の一員として約3年半。暑い夏には思い切り脱力のうえスヤスヤ寝たり、好物のクッキーをねだったり……。無邪気な姿に多くの記者が癒やされました。合掌。(大井穣)

◆04年11月11日付の朝日新聞群馬版の記事(要約)

 04年11月10日、前橋市大手町3丁目の路上で走り回っていたウサギを、朝日新聞前橋総局の記者が見つけた。車にはねられないように保護しようと、記者や近くの前橋地検の職員10人が、捕物に参加。駐車中の車の下に隠れるなど逃げ回るウサギを30分後にようやく保護した。ウサギは雄で右前脚に傷を負っている。毛は茶色がかったグレー。前橋署に拾得物として届けたが、飼い主が見つかるまで同総局で預かることに。心当たりのある人は同総局までご連絡を。

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http://www.asahi.com/national/update/0524/TKY200805240131.html