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2008年05月24日(土) 22時00分

森林保つ重要性強調 G8環境相、神戸で会合朝日新聞

 神戸市で開かれている主要国(G8)環境相会合は初日の24日、生物多様性の保全策について協議し、地球温暖化防止の観点からも、森林保全を強化していく重要性を強調する意見が相次いだ。違法伐採された木材を流通させないための取り組みの強化や、日本の里山のような持続可能な管理方法の普及が必要だとの指摘も参加国から出た。

 生物多様性が保たれることで、人類は食料を始め多大な利益を得ているが、農地の拡大などによって急速に生物種が絶滅している。一方、熱帯林を中心に世界では森林面積の急速な減少が続いており、これが生物多様性の損失と地球温暖化を加速させているとみられている。

 このため環境相会合でも、温暖化対策と生物多様性の保全は「統合的に検討すべきだ」との意見が相次いだ。森林を保全するため、環境に配慮した木材しか流通できないような仕組みづくりも国際機関から提案されたという。

 一方、この日は、各国の閣僚と国内外の産業界、環境NGO、労組との対話の場が設けられた。

 2013年以降の次期枠組みづくりの議論について、日本経団連は「温室効果ガスの大幅削減を可能とする技術革新に取り組む産業界の気をそぐ政策をとらないように」と注文。経済同友会の桜井正光代表幹事は「中長期の目標について、世界全体だけでなく各国別でも設定するよう議論してほしい」と要望した。 

 各国の閣僚は、「経済への影響を心配しているのは先進国も途上国も同じ。取り組む以外の選択肢はない」(英国)、「どの国も責任ある対応が必要だ」(中国)などと述べた。

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