記事登録
2008年05月23日(金) 18時02分

未公開株詐欺:甘いもうけ話に潜むワナ 被害相次ぐ 相談、数年で急増 /山口毎日新聞

 ◇県内女性、1300万円被害も
 未公開株を巡るトラブルが全国で相次ぐ中、県内でも公開を予定していない企業の株券が多く出回り、1300万円の高値で買わされるなどの被害が相次いでいることが分かった。県消費生活センターへの相談件数は過去5年間で62件に上り、ほぼ全員が数百万円以上支払っていた。【藤沢美由紀】
 関係者によると、公開予定のない株を約1300万円で購入したのは60代の女性。03年ごろ、東京の業者から電話で「近く上場する企業の未公開株がある。絶対にもうかる」と勧誘され計約400万円で購入した。
 さらに昨春、この業者から別の企業の未公開株を勧められ計約900万円分を買った。ところが、その後、両社とも上場を予定していないことを知ったという。
 県消費生活センターへの同様の相談は05年度以降、急増しており、過去5年間では03年度2件▽04年度1件▽05年度14件▽06年度32件▽07年度13件——の計62件。被害者はいずれも40〜70代の男女で「半年後に上場する未公開株がある。今買えば絶対もうかる」などと電話で勧誘され、数百万円以上を支払ったが、直後から業者側と連絡が取れなくなっていた。
 国民生活センターには昨年度、2512件の相談が寄せられており、今年度に入ってからは大学生をターゲットにしたトラブルが目立つという。ほとんどが1株1万〜5万円程度の株券を数十倍で購入。株券の発行企業に問い合わせて初めて被害に気付いていた。
 県内の被害者に共通するのが「株の知識がなく経済的に余裕のある人」で、センター側は「もうけ話には簡単に乗ってはダメ。まずは契約前に自分でよく調べたうえで買うかどうか検討してほしい」と注意を呼びかけている。
 未公開株を巡っては、東京の会社役員が昨年6月、山口など5県の7人から総額4億1720万円をだまし取ったなどとして詐欺容疑で県警に逮捕されている。
〔山口版〕

5月23日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080523-00000277-mailo-l35