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2008年05月23日(金) 00時00分

大阪市長がアドバイザー職を新設、神野東大教授起用へ朝日新聞

 大阪市の平松邦夫市長は、市長直轄のアドバイザー職を新設し、東京大大学院の神野直彦(じん・の・なお・ひこ)教授(62)=財政学=を起用することを決めた。新たな市政運営の基本方針策定に向け、今秋、前市長が設置した「市政改革推進会議」(委員長・上山信一慶応大教授)の後継組織となる外部委員会を設立する意向で、神野氏を中心メンバーとする考えだ。

神野直彦・東大教授

 平松市長はアドバイザーに、10年度終了の「市政改革マニフェスト」後の中期計画の基本方針づくりなどで意見を聞く予定。神野氏は大阪市立大学助教授などを経て現職。03年に「地域再生の経済学」(中公新書)で石橋湛山賞を受賞。福祉や教育、医療の充実を主張し、単純なコストカットに批判的な立場をとる。朝日新聞の取材に「大阪市には縁があり、役に立てることがあればお受けする」と話している。

 平松市長は神野氏のほかにもアドバイザーを数人起用する方針で、有識者や財界関係者から人選を進めている。これまで関淳一前市長の打ち出した改革路線を踏襲してきたが「平松カラー」を鮮明にする狙いがあるようだ。

 平松市長はこれとは別に、市の基本計画をつくる総合計画審議会の下に、実務家で構成される「経済」「子ども」など四つの部会も立ち上げる。4部会は来年度以降の重点事業を「平松ビジョン」にまとめ、今秋に発表する。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200805220132.html