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2008年05月23日(金) 00時00分

国重文の本殿全焼 大阪・吹田の吉志部神社朝日新聞

 23日午前4時13分ごろ、大阪府吹田市岸部北4丁目の吉志部(きしべ)神社付近から出火、国指定重要文化財で木造平屋建ての本殿約240平方メートルが全焼したほか、約30メートル離れた社務所の出入り口なども焼けた。けが人はなかった。吹田署などによると、神社付近は夜間でも出入り可能で、火の気はないという。本殿から離れた社務所が同時に燃えたことなどから、同署は不審火とみて出火原因を詳しく調べている。

焼け落ちた吉志部神社=23日午前9時、大阪府吹田市、本社ヘリから、荒井昌明撮影    

 吹田市などによると、吉志部神社は応仁の乱(1467〜77年)で1度焼失したとされ、本殿は慶長15(1610)年に再建された。桃山風の装飾美と、建物内に神をまつる部屋が七つある全国でも珍しい「七間社(しちけんしゃ)」という構造であることなどから、93年に重要文化財に指定された。

 現場は大阪府北部、JR吹田駅から約3キロの住宅街。

 文化庁によると、国の重要文化財に指定された建造物の火災は、1950年の文化財保護法施行以降で75件あり、うち11件が損傷が激しいために指定が解除されている。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200805230029.html