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2008年05月21日(水) 15時01分

<訪問・通信販売>悪質業者をネットで情報共有 国と自治体毎日新聞

 悪質な訪問・通信販売の被害を防ぐため、経済産業省と都道府県がインターネットによる情報共有システム「特商法執行ネット」の運用を始めた。これまでは個別に情報を収集していたため、同じ業者を重複して調査していることに気付かないといった効率の悪さがあった。今後はネットによるスムーズな摘発が可能という。

 特定商取引法(特商法)は、訪問販売やマルチ商法など6種類の商取引を規制対象にしており、名前や勧誘目的であることの告知などを業者に義務付けている。違反した場合は経産省や都道府県が行政処分を行う。

 経産省が構築したシステムは、同省や都道府県の担当者が端末を操作して▽全国の過去の処分例▽消費者から寄せられた相談内容を基に担当者が分析した悪徳商法の特徴・傾向▽現在調査中の悪徳業者−−などの情報を閲覧できるようにした。また悪徳業者への立ち入り検査の方法などについて経産省が都道府県から相談を受け付け、回答を掲示板に載せて周知を図る。

 経産省によると、これまでには、中部地方のある県から行政指導を受けた悪質訪問販売業者が、同省と都道府県間の情報交換が滞っていたため、看板を変えて同じ手口を繰り返した例があった。東京都内のマルチ業者について、経産省が下調べしていたら、東京都がすでに本格的な調査に入っていたというケースもあったという。同省の担当者は「消費者の相談が増えてからの摘発では遅い。都道府県の執行を後押しする仕組みにしたい」と話す。【奥山智己】

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