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2008年05月21日(水) 23時26分

イスラエル、シリアとの和平交渉認める声明朝日新聞

 【エルサレム=村上伸一】イスラエル首相府は21日、同国が敵対するシリアと和平交渉を行っていることを初めて発表した。声明によると、トルコの仲介による間接的な交渉で、「両国は包括和平を目指して、真剣で継続的な対話を行うことを決めた」としている。シリアからの報道によると、同国外務省も交渉の事実を確認した。

 イスラエルは67年の第3次中東戦争でシリア領ゴラン高原を占領。両国の和平交渉は同高原の返還をめぐり、00年に決裂した。イスラエルは昨年9月にシリアの核疑惑施設を空爆したが、イスラエル政府筋によると、その前から水面下の接触が続いていた。

 シリアはイスラエルが最大の脅威と見なすイランとの関係が深く、イスラエルにはシリアをイランから引き離す狙いもある。

 両国の和平交渉に米政府は21日、「反対しない」と行方を見守る姿勢を示した。

 一方、オルメルト首相は汚職疑惑の捜査で窮地に陥っており、今回の突然の発表について「国民の目をそらして捜査の追及を弱める狙いだ」との声が政界から出ている。

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