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2008年05月21日(水) 15時04分

「温室ガス、90年比60%超削減」 民主が法案提出へ朝日新聞

 民主党の地球温暖化対策本部(岡田克也本部長)がまとめた地球温暖化対策基本法案の骨子がわかった。2050年までに温室効果ガスを90年比で60%超削減する長期目標のほか、20年までに25%超削減するとの中期目標も掲げ、政府案との差を際立たせる。

  

 21日午後の「次の内閣」閣議で了承し、6月に福田首相が提案する予定の政府案(福田ビジョン)の対案として、今国会での提出を目指す。

 政府案の長期目標は今のところ、厳しい削減目標の押しつけを嫌う産業界に配慮して国内で排出される温室効果ガスの削減目標の基準年を明示せず、法的拘束力も持たせない見通し。欧州連合(EU)などは90年を基準年として削減目標を定めているが、政府は90年以前から省エネ努力を進めてきた日本にとって不利だとして、基準年を改めるべきだと主張している。民主党案はEU並みに基準年を明示し、政府より踏み込んだ対応を促す。

 また政府は産業・分野別に削減可能量を積み上げる「セクター別アプローチ」で目標値を定める方針で、中期目標は首相提案に含めないが、民主党は「中期目標の設定は先進国の標準で、トップダウン型でやらないと大胆な削減は実現しない」としている。

 温室効果ガス削減のための具体策として、風力発電や太陽光などの新エネルギーの活用目標も定めた。新エネルギーの供給量が、20年までに一次エネルギー供給合計量の10%に達することを目指す。

 国内排出量取引についても民主党は「10年度から実施」と法案に明記する。ただ制度の対象者や排出枠の割り当て方法には踏み込んでいない。政府案では首相提案に導入の方針を盛り込む方向で検討している。(秋山訓子)

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