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2008年05月21日(水) 14時14分

入院患者射殺に無期懲役求刑 佐賀・武雄の事件朝日新聞

 佐賀県武雄市の病院で昨年11月、入院患者の宮元洋さん(当時34)が射殺された事件で、暴力団関係者と間違えて射殺したとして殺人などの罪に問われた指定暴力団・道仁会(本部・福岡県久留米市)の組員、今田文雄被告(61)の論告求刑公判が21日、佐賀地裁(若宮利信裁判長)で開かれ、検察側は「暴力団と無縁の一般市民を、一方的思いこみで殺害した極めて冷酷な犯行」として、無期懲役を求刑した。

 論告などによると、今田被告は07年8月、恩義のあった道仁会会長(当時)が福岡市で射殺された報復として、対立する九州誠道会(本部・福岡県大牟田市)の幹部の殺害を計画。武雄市内の病院に暴力団関係者が入院しているとの情報を得て同11月8日朝、病院に侵入。2階病室にいた宮元さんを暴力団関係者と誤認し、射殺したとされる。

 今田被告は、初公判で起訴事実を認め、人違いを謝罪したが、その後の公判で、検察側の「宮元さんを今でも(誠道会系の)企業舎弟だと思っているか」との質問に「思っている」などと回答。また、犯行は個人的な意思で行ったとし、検察側が指摘する暴力団の組織的関与を否定している。

 一方、亡くなった宮元さんの妻篤紀さん(36)は、前回公判の意見陳述で、夫と暴力団との関係を全面否定した上で「社会に二度と出てこないことが確約されている刑が死刑なら、選択肢は死刑しかない」と訴えていた。

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http://www.asahi.com/national/update/0521/SEB200805210015.html