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2008年05月20日(火) 00時00分

高い水道代「もう我慢できない」 京都府大山崎町の提訴朝日新聞

 府営水道料金をめぐる京都府大山崎町と府の争いは、法廷に持ち込まれることになった。「名水の里」で知られる人口約1万5千人の同町は00年に府営水道に切り替えるまで、飲み水も地下水で賄ってきた。それだけに町民らは、高すぎる水道代への不満を訴えた。

 00年以降、町の水道会計は赤字続きで、町は04年に水道料金を約30%値上げした。4人家族の主婦福安末子さん(63)は「値上げ前は2カ月分の請求額が1万3千円ほどで済んでいたのに、値上げ後は2万円くらいになった」と嘆く。冬場は風呂の水を2日に1回しか替えないときもある。「将来の負担にならないためにも、この提訴で何とかしてほしい」

 豆腐店経営の橋本正夫さん(73)も「他の自治体と比べると高すぎる。豆腐作りに大量の水道水を使うので、とても困る。早く安くしてほしい」と話す。

 一方、府は「町に協議を呼びかけたが、テーブルにつかなかった」と主張。山田啓二知事は提訴に先立つ9日の定例会見で「大山崎町が負担をしないのはおかしな話。(府と町が98年に府営水道の水配分を決めた)協定があるわけですから」と町のやり方を批判した。

 日本水道協会によると、昨年4月現在で月20立方メートル水道を使った場合、大山崎町の料金は4431円で京都府内で最も高く、全国平均の3065円を大きく上回っている。

http://www.asahi.com/kansai/sumai/news/OSK200805200084.html