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2008年05月20日(火) 22時23分

党幹部、続々被災地入りし国民にアピール 四川大地震朝日新聞

 【北京=藤原秀人】四川大地震の被災地を、中国共産党の最高指導部・政治局常務委員会のメンバーが相次ぎ訪れ、救援活動の指揮にあたっている。9人のうち胡錦濤(フー・チン・タオ)総書記(国家主席)ら6人がすでに現地入りを果たした。被災者救済が最優先、という姿勢を総力で示した形だが、思わぬ反感も招いている。

 温家宝(ウェン・チア・パオ)首相は地震発生の12日に四川省入りし、「緊急指示」を出した。16日に同省に入った胡氏は温氏から引き継ぎ、党や軍に「重要指示」(党機関紙・人民日報)を繰り出した。胡氏は中央軍事委員会主席でもある。

 報道によると、胡氏は18日午前まで四川省に滞在。「全国哀悼日」初日の19日午後には、北京の中南海で黙祷(もくとう)する模様が伝えられた。18日夜に発表された「哀悼日」の決定がどこで下されたのかは定かでないが、哀悼日のメーン行事に現れることで、局面を「悲嘆」から「団結」に変えようとしたようだ。ネット上で「被災地から逃げた」という批判は少ない。

 中国メディアは序列に従って指導者の動向を伝えているが、より大きな被害が出た地域の活動が印象に残りやすい。人気のある温氏やトップの胡氏、農村出身の李克強副首相らは白シャツ姿で甚大な被害が出た四川省を歩き、好評だったが、李副首相とならぶ若手指導者の習近平・国家副主席は青のボタンダウンシャツを着て陝西省に現れ、反感をかった。

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http://www.asahi.com/international/update/0520/TKY200805200356.html