記事登録
2008年05月20日(火) 22時19分

無戸籍女性が6月出産予定 「300日」問題朝日新聞

 「離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子」とする民法772条の規定をめぐる問題で、この規定のために無戸籍となった兵庫県内の女性(27)が妊娠し、6月に出産予定であることがわかった。戸籍のない親の子の出生届は受理されず、子も無戸籍となる可能性が高い。

 女性らを支援する市民団体「民法772条による無戸籍児家族の会」などによると、女性は母親が離婚した73日後に生まれた。女性は無戸籍のまま育ち、小学校に入学するのも2年間遅れたという。

 家族の会は20日、鳩山法相と面会し、改善を求める兵庫県の井戸敏三知事からの要望書とともに、法務省通達の運用の見直しや条文の抜本改正を求めた。法相は「論点がたくさんある問題だが、子供を中心に考えなければいけない」と話した。

 「300日問題」では、昨年の通常国会で法改正の動きがあったが、医師の証明書で「前夫との離婚後に妊娠した」と証明すれば現在の夫の籍に入れられる通達が出るにとどまった。離婚前の妊娠については、当時の自民、公明の政調会長が救済策を検討することで合意しており、今後与党が議論を再開する可能性が指摘されている。

アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/national/update/0520/TKY200805200352.html