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2008年05月19日(月) 00時00分

源氏物語絵巻の眼鏡ふき人気、最新技術で鮮明に 東レ朝日新聞

 紫式部ゆかりの石山寺(大津市)。ここが所蔵する源氏物語の絵巻をプリントした眼鏡ふきを、東レが開発した。素材には、直径約2マイクロメートル(1マイクロメートルは1千分の1ミリ)の超極細糸を使用。特殊な繊維を用いて人物や草花を鮮やかに再現した。昨年10月に発売したところ、これまでに約5万枚が売れる人気ぶりだ。

源氏物語の絵巻をプリントした眼鏡ふき=大阪市北区、日吉健吾撮影

 石山寺は、紫式部が「源氏物語」の構想を練った場所とされる。眼鏡ふきの絵柄は6種類で、うち4種類が同寺所蔵の画。源氏物語五十四帖(じょう)の一場面で、江戸時代の画家土佐光起が描いたと伝わる国重要文化財の「源氏物語末摘花(すえつむはな)巻」のほか、「花宴(はなのえん)」、「初音(はつね)」の場面、紫式部の肖像画などを使っている。「末摘花」が加工商品に使用が許されたのは初めてという。

 今年は源氏物語の存在が文献で確認できる時点から千年となる「源氏物語千年紀」。石山地区で創業した東レが寺側の協力で開発した。税込みで1枚1050円。全国の眼鏡チェーンや石山寺、宇治市源氏物語ミュージアム(京都府宇治市)などで販売している。(日比野容子)

http://www.asahi.com/kansai/entertainment/news/OSK200805190057.html