記事登録
2008年05月19日(月) 17時01分

小学校建設費、英の11倍=ODA予算執行調査−財務省時事通信

 財務省は19日の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の部会で、政府開発援助(ODA)の予算執行調査結果を示した。タンザニアで実施された無償資金協力による小学校建設事業では、同国で英国が実施した同種事業に比べ、1教室当たりの費用が8−11倍掛かっていた。同省は「日本のODA建設事業は高コストになっている」と指摘している。
 ODAには、相手国に贈与する無償資金協力や、低利で貸し付ける円借款などがある。無償資金協力のうち、小学校建設などの経済開発等援助費は3割強を占めている。
 調査結果がまとまったのは、2001年度から08年度実施の建設事業。タンザニアでは、計272教室分の小学校が建設され、総事業費は約12億4000万円。1教室当たり約557万円かかったが、英国の事業では、約50万−約70万円にとどまる。「英国では非政府組織(NGO)を通じた実施などで費用を抑えている」(同省主計局)という。カメルーンでの小学校建設でも、国際機関の貸し付け事業の1.6−2.3倍だった。
 また、カンボジアの道路改修工事では、1キロメートル当たりの費用が、アジア開発銀行(ADB)の貸し付け事業の2.4倍。舗装の厚さが、ADB案件の約2倍あることが高コストの一因になっている。 

【関連記事】 日本の対中ODAに謝意=平和発展を支持、未来志向強調-中国主席が早大で講演
【関連記事】 日中首脳、定期往来で一致=福田首相、ギョーザ事件の解明要請
【関連記事】 ミャンマーに緊急援助=政府
【関連記事】 アフリカに小学校1000校=今後5年間、無償で建設-外相表明
【関連記事】 企業提案ODAを容認=官民連携で途上国支援-政府

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080519-00000089-jij-pol