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2008年05月19日(月) 03時06分

健康飲料6千万円脱税容疑、「マルチ商法」と会員が訴訟中読売新聞

 会員向けに健康飲料を販売する「ビーエムエスコーポレーション」(東京都港区)が、架空経費を計上して2006年3月期までの2年間で約2億円の所得を隠し、法人税約6000万円を脱税したとして、東京国税局から法人税法違反容疑で東京地検に告発されたことがわかった。

 同社に対しては、「違法なマルチ商法を展開している」として、全国の会員約590人が契約金計約4億7000万円の返還を求める訴訟を起こしている。

 告発されたのは、同社と福岡万明(かずあき)会長(64)。

 同社関係者らによると、同社は健康飲料を購入した会員に報酬を払ってさらに会員を集めさせる販売手法をとっており、福岡会長個人に約1億5000万円の特許使用料を払ったように装ったり、会長の家族に給与を払った形にしたりして、所得を圧縮した疑いがあるという。調査で特許使用料の支払いは裏付けられず、家族には勤務実態がなかったことから、同国税局では架空経費と判断した。

 一方、東京地裁での訴訟で、原告側は同社が連鎖販売であることを明示せず、「公的年金に代わる安定報酬が得られる」とうたって高齢者から多額の資金を集めていたと主張している。同社の説明通り、「1口25万円で商品を購入して新規会員を紹介すれば、数年で毎月約25万円ずつ得られる」ためには、常に2人ずつの新規会員が必要で、「結局は破たんするシステム」と批判している。これに対し、同社側は「連鎖販売と明示し、報酬の資金確保も多角的に行っている」として、全面的に争っている。

 同社は1982年設立。04年ごろから会員向けの健康飲料の販売を始め、会員数は全国で2万人近くに上るという。脱税容疑での告発について、同社代理人の弁護士は取材に「国税局の指摘に従い、修正申告した」と話している。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080518-OYT1T00753.htm