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2008年05月19日(月) 03時03分

「マルチ」の所得隠す 健康食品販売、2年で2億円朝日新聞

 健康飲料・食品をいわゆるマルチ商法(連鎖販売)で販売していた「ビーエムエスコーポレーション」(東京都豊島区)が06年3月期までの2年間に所得約2億円を隠し、法人税約6千万円を脱税したとして、東京国税局が同社と福岡万明・元社長(64)を法人税法違反容疑で東京地検に告発していたことが分かった 同社の代理人の弁護士は取材に「既に修正して納付している」と話した。

 関係者によると、同社は「視力改善作用がある」などと称して、ブルーベリーの一種とされるビルベリーを原料にした健康飲料・食品を販売していたが、架空の特許使用料や販売手数料などを計上する手口で所得を圧縮していたとされる。

 隠した所得は、東京・汐留などの高級タワーマンションの購入費などに充てていたという。

 福岡元社長は、こうした不動産を購入する際、会社の金を自分に仮払いしていた。決算期末に、特許使用料などと偽って、まとめて架空経費を計上していたという。

 また、同社は「新規会員を勧誘・獲得すると販売手数料を得られる」として、会員を勧誘していたが、勧誘活動をしていない子会社の「BMSホールディング」にも、多額の販売手数料を支払ったと偽っていた。

 ビーエムエスコーポレーションは82年設立。長く休眠会社だったが、03年に福岡元社長が代表に就任。民間信用調査会社によると、約1万の代理店(会員)を獲得したとされ、06年3月期の売上高は約40億円。(中村信義、舟橋宏太)

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