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2008年05月19日(月) 00時00分

大阪府議会、議員報酬の削減は何%?朝日新聞

 大阪府議会の主要会派が議員報酬の削減幅をめぐり神経戦を展開している。橋下徹知事の財政再建路線で「議員も身を削る」(自民府議)ことでは一致しているものの、削減幅が小さければ府民の反発を買いかねず、結論を先送りしている状態だ。

 「他言無用ということで申し合わせをしました」

 15日の議会運営委員会理事会。会議後、報道陣に囲まれた自民党府議団の浅田均幹事長はこう語った。自民、民主、公明、共産の4会派の幹事長が顔をそろえ、議員報酬の削減について協議したが、協議内容については箝口令(かんこうれい)が敷かれたのだ。

 主要4会派はすでに議員報酬を削減する方向で合意しているが、橋下知事が進める府の人件費削減とのバランスで頭を悩ませている。

 自民のベテラン府議が解説する。「議員が先に削減率を出して職員より低かったら批判されるし、後で発表すれば『議会は何をやっているのか』と批判される。人件費の発表と同時に、その数字に乗っかるのが一番安全だ」

 ただ、知事30%カット、非管理職最大10%カットなどの府の人件費削減案はすでに明らかになった。自民党府議団幹部は「先に我々が20%カットを発表し、知事が最後に30%と発表すれば落ち着くはずだったのに」という。

 自民党内には「知事30%カット」を踏まえ、若手府議から「知事と同率にしないと府民は納得しない」との声があがる一方、「弁護士でタレント活動もする知事と同列に論じるべきではない」との意見もあり、結論は出ていない。

 橋下知事の基本給は月額145万円。これに対し、議員報酬は93万円。全国都道府県議会議長会の昨年4月時点の集計では、東京、愛知、神奈川に次いで4番目に高い。30%カットになると月額65万千円になり、島根の65万4500円を下回り最下位になる。

 ただ、「第二の議員報酬」とも言われる政務調査費は、府議1人あたり月額59万円で全国2位。30%カットの議員報酬と合計しても124万千円で全国10位の水準だ。このほか議会に出席すると1日7千〜1万5千円が支給される費用弁償制度もある。

 自公民の3会派は先週、府改革プロジェクトチームの財政再建案への対案を発表したが、議員報酬や政務調査費の削減、費用弁償廃止を明記したのは公明党だけ。民主党は「議会予算全体の改革を求める」との表現にとどめ、自民党は一切触れなかった。

 改革案のとりまとめ時期についても、「議会も早く打ち出すべきだ」(当選1期の自民府議)との声も一部にあるが、「他会派の意向もある」(自民・浅田幹事長)、「(7月議会までの)1カ月余りでは合意形成は無理ではないか」(民主・西脇邦雄幹事長)などと、模様眺めを決め込んでいる。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200805190041.html