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2008年05月18日(日) 00時00分

地震1週間 留学生、不安といらだち、ネットつなぎ続け朝日新聞

 四川大地震の発生から19日で1週間。日本で暮らす中国人留学生たちは、日々拡大する被害に不安といらだちを募らせている。すぐに帰国できないもどかしさを抱えながら、留学生による募金活動も各地で始まっている。

 「(前期の)テストが終わったら、すぐ帰りたい」。四川省成都市出身で、重慶の西南大学からの交換留学で立命館大に来ている王皓義さん(20)はこう話す。

 15日、西南大時代のクラスメートの女性に電話をしたところ、同省綿陽市に住む女性の母と妹がビルの下敷きになり亡くなったと聞かされた。「悲しそうな声だったので、どうしたのと聞いたら……。言葉にならなかった」。成都の高層ビルに住んでいた王さんの母は無事だったが、「余震が怖くて、自宅には戻れない」と話しているという。

 成都市出身で広島大学大学院に留学中の楊小平さん(26)は近く、大学を休んで被災地へ行くつもりだ。

 テレビやインターネットで現地の状況をチェックしてきたが、「標準語」の北京語や英語で取材する外国メディアの報道を見ていると、被災者が自分の思いを伝えられていないと感じる。「実際の状況は見ないとわからないし、四川の言葉で話せば本音を聞かせてくれるかもしれない」

 「四川省大地震の被災者へ募金をお願いします」

 18日午後、JR福井駅西口に福井大留学生の劉圓圓さん(21)の声が響いた。劉さんは震源に近い四川省徳陽市の出身。震災後しばらく連絡がつかなかった姉(23)の無事をようやく15日に確認した。「姉は相当ショックを受けているよう。私にできることは募金を呼びかけることです」。目を赤くしながら、募金してくれる人に頭を下げていた。近畿大では19日から「中国留学生学友会」などが、中国の大地震とミャンマーのサイクロンの被災地支援の募金活動を始める。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200805180038.html