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2008年05月18日(日) 00時00分

中国人大学院生をシャンパンの瓶で撲殺容疑 男を逮捕  朝日新聞

 大阪市東成区東中本1丁目のマンション一室で3月、この部屋に住む中国籍の和歌山大大学院生、石小寧さん(26)が頭から血を流して死亡していた事件で、大阪府警は18日、石さんを殴って殺害したとして、兵庫県尼崎市武庫元町2丁目、自称自動車販売業、大須賀隆容疑者(23)を殺人容疑で逮捕した。大阪・ミナミの飲食店でトラブルになり、石さんに暴行を加えたことは認めているが、「殺すつもりはなかった」と殺意を否認しているという。

 捜査1課の調べでは、大須賀容疑者は3月8日午前3時ごろ、大阪市中央区島之内1丁目のクラブ内で、シャンパンの空き瓶で石さんの頭を殴って殺害した疑い。石さんは殴られた後、自力で帰宅したとみられている。

 現場のクラブは若者や外国人が集まる店で、大須賀容疑者は友人ら数人と訪れたといい、「(石さんが)女友達に声をかけたことに腹が立ち殴った」と供述しているという。石さんは1人で来店しており、大須賀容疑者と面識はなかったという。

 府警などによると、石さんは3月7日夜、同市鶴見区のアルバイト先の輸入雑貨販売会社を出た後、連絡がつかなくなった。同19日夕、大学側からの連絡で安否確認にきた東成署員らが自室で死亡している石さんを発見した。

 和歌山大などによると、石さんは江蘇省出身。05年10月から研究生として経済学部に在籍し、その後同大学院の経済学研究科に進学した。経営学を専攻し、3月25日に修士課程を修了する予定だった。

 同大は3月28日、来日した父・高生さんに修士課程修了の学位記を手渡した。指導教官だった吉村典久教授は「容疑者が逮捕され、彼も報われると思う。悲しい報告ではあるが、遺族の方にも伝えられるのでよかった」と話した。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200805180011.html