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2008年05月18日(日) 21時04分

四川大地震 被災地域の核施設、中国軍は「安全」強調朝日新聞

 【北京=坂尻信義】中国四川大地震の被災地域にある複数の核関連施設で、放射能漏れなどの懸念が出ている。中国軍は18日、地震発生後初めて記者会見し、「核施設は安全」と強調した。

 四川省綿陽市周辺は、中国初の核実験や水爆実験に貢献したとされる中国工程物理研究院をはじめ、10カ所以上の軍事関連施設が集まる。香港紙・成報は18日、同研究院の核廃棄物貯蔵施設が震災で損傷、核専門家らが緊急避難したと報じた。

 これに対し、中国軍の馬健総参謀部作戦部副部長は「四川の軍事施設は軽微な影響を受けたが、深刻な損傷は報告されていない」「核施設は安全だ」と強調したが、「私に技術的な問題を聞かれても答えられない」とも述べた。

 香港在住の軍事専門家・平可夫氏は「広元市には大陸間弾道ミサイルの核弾頭を製造する工場もある。国際社会に核施設の被災状況を説明すべきだ」と中国軍の対応を批判した。

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http://www.asahi.com/international/update/0518/TKY200805180131.html