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2008年05月18日(日) 13時38分

水俣学のこれから語りあう 熊本でシンポ朝日新聞

 障害者や水俣病を対象にした学問としての共通点や相違点から、両者をめぐる課題を探るシンポジウム「障害学と水俣学の交差点」が17日、熊本市の熊本学園大で開かれた。同大水俣学研究センターと障害学会の共催。

 「障害者の課題と展望」を報告した関西学院大の杉野昭博教授は、障害者が生産性の低い仕事にしか就けない現状を例に挙げ、「障害者を排除しているのは、障害を他人の障害と考える社会の障壁だ」と説明。「障害は慢性病を介して健常と連続している。健常者の意識を障害者に近づけることが社会の障壁を変えるために重要だ」と話した。

 水俣学研究センターの花田昌宣教授は「水俣学の創生と課題」と題して、水俣病の教訓に学ぶ水俣学を紹介。「水俣病の真実を明らかにするのでなく、現在進行中の経験を記録し議論していくことが目指す方向だと思う」と話した。

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