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2008年05月17日(土) 03時01分

「消費者庁」移管の法律、PL法など二十数本朝日新聞

 消費者行政の一元化のため、政府が「消費者庁」への移管を検討している主な法律がわかった。内閣府、経済産業省など8省庁と公正取引委員会の26本で、さらに数本の移管も検討している。事務レベルの折衝で、すでに5本の移管が固まったが、貸金業法など業界を監督する「業法」を中心に、調整は早くも難航している。

  

 「消費者に身近な問題を取り扱う法律は消費者庁に移管する」との福田首相の方針を受け、内閣官房は(1)消費者からの苦情・相談や被害情報などを扱う法律は移管(2)業界への許認可権限を定めた業法でも、消費者の保護ルールを定めた部分は移管——との原則を設け、移管する法律を洗い出した。

 いまのところ、移管が固まったのは、内閣府が所管する消費者基本法、消費者契約法、製造物責任法(PL法)、国民生活センター法と、警察庁と内閣府が共管する無限連鎖講防止法。しかし、そのほかの法律は「ほぼゼロ回答」(内閣官房幹部)。

 6本が検討対象となった甘利経産相は16日の記者会見で、「規制と指導がバラバラだと規制する方は厳しければ厳しいほどいい。そうすると健全な事業者まで死んじゃったと(なる)」と指摘。業界を指導する権限と規制する権限との切り離しに疑問を呈した。

 消費者庁構想をとりまとめる岸田消費者行政推進担当相は、月内の決着をめざし、来週にも閣僚折衝に入る。移管する法律の素案は「これで頑張れ」と首相からお墨付きを得ており、岸田氏は「移管によるデメリットがあるなら、その立証責任は省庁側にある」と強い姿勢で臨む方針。(餌取稔也)

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