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2008年05月17日(土) 12時34分

福岡の連続殺傷、地検が容疑者を精神鑑定へ朝日新聞

 福岡市城南区と早良区で3月と4月に女性2人が殺傷された事件で、強盗殺人や強盗殺人未遂などの疑いで逮捕された同市中央区草香江2丁目、無職野地卓容疑者(22)に対し、福岡地検は専門家による精神鑑定を実施する方針を決めた。今月19日から7月25日までの鑑定留置が福岡地裁から認められ、刑事責任能力の有無などを調べる。

 県警などの調べでは、野地容疑者はいずれの事件についても「金がほしかった」と供述。一方で、両事件とも被害者は腹などを複数回刺され、金品を奪われた形跡は見あたらなかった。城南区の事件では「殺すつもりはなかった」と殺意を否認しているという。同地検は、野地容疑者の供述と殺傷の状況に隔たりがあることから、事件当時の精神状態を詳しく調べる必要があると判断したとみられる。

 また、野地容疑者が夜中に奇声を発するのを同じアパートの住民が聞いたり、事件前に精神科医の診察を受けて薬を処方されたりしていたことも県警の調べや関係者の話で明らかになっていた。

 野地容疑者は、福岡市早良区西新2丁目で4月、金目的で女性(78)を果物ナイフで刺して殺害したとして、強盗殺人などの疑いで逮捕された。さらに、同市城南区鳥飼4丁目の路上で3月に女性(31)が刺されて重傷を負った事件で、強盗殺人未遂などの疑いで再逮捕された。

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