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2008年05月17日(土) 08時30分

県文書「2ちゃんねる」に読売新聞

事務引継書 ウィニー原因か

 県職員が作成した職務上の文書がインターネットの掲示板「2ちゃんねる」などに流出していたことが分かった。県内では昨年2月、県警の捜査資料がファイル交換ソフト「ウィニー」を使っていた甲府署員の私物パソコンから流出したトラブルがあり、関係機関でウィニーの使用禁止の徹底を図ってきた。今回もウィニーが原因とみられ、県職員の情報管理意識の低さが改めて問われそうだ。

 文書の流出は、16日午前、県に「『2ちゃんねる』に県の文書が流出したという趣旨の書き込みがある」との情報が寄せられ、発覚した。文書は土木部(現・県土整備部)によるもので、県土整備部によると、土木部の出先機関に勤務していた職員が今年3月下旬、異動の内示を受け、業務の引き継ぎのために作成した。

 流出したとみられる文書の一部は、「事務引継書」と記され、3月31日の日付と、「引き継ぎ者」の主任職員、「引き受け者」の課長、副主査、技師の計4人の氏名が列記され、県内のダムの概要などが書かれていた。県土整備部は「個人情報が載っている可能性は低いが、文書のどこまでが流出しているかわからない。個人情報がないことを願う」としている。

 県企画部は関係職員から事情を聞くなどして原因を調べているが、ウィニーの可能性が高いという。県関係者によると、この職員は県庁のパソコンから自宅の私物パソコンに文書をメール送信。その後、私物パソコンに入っているウィニーのソフトを起動させたため、文書が流れたとみられている。

 ただ、問題の文書はこの職員のパソコンから何らかの原因で消失したため、県はデータの復元を試みているという。

 昨年2月に県警の捜査資料が流出した問題を受け、県警、県庁、県教委など各関係機関で「ウィニーを絶対に使わないこと」を申し合わせてきた。この日、県は各部署の担当者を集め、ウィニーソフトを使わないよう改めて周知徹底を図った。出席したある職員は「一部のモラルの低い職員のために県全体の信用が失墜する。情けない」と話していた。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamanashi/news/20080516-OYT8T00865.htm