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2008年05月16日(金) 00時00分

「合宿費水増しは慣例」 解雇の元教諭が提訴 大阪地裁朝日新聞

 クラブの合宿費の水増し請求を理由に懲戒解雇された大阪夕陽丘学園高校(大阪市天王寺区)の元男性教諭(48)と減給1カ月の処分を受けた女性教諭(50)が16日、今も教諭であることの確認や未払い分の給与の支払いなどを求める訴訟を大阪地裁に起こした。2人は同校を運営する学校法人を相手取り、「水増しは別の教諭が発案し、10年続けられてきた。生徒の負担を増やさないための措置で個人的に使っていない」と主張している。

 訴状によると、2人は昨年8月、同校書道部の顧問として部員3人を大阪府池田市内の宿泊施設に引率し、3泊4日の合宿を実施。この際、約15万円の宿泊料とは別に「施設使用料」名目で8万円の架空請求書を受領し、同校管理のPTA会費から支払いを受けた。学校側は同11〜12月、2人を事情聴取。事実を認めたため、就業規則に基づき処分したとしている。

 元教諭らは水増し請求について、「97年当時の顧問だった別の教諭が発案し、複数の教諭の間で続けられてきた」と指摘。就業規則についても「存在さえ知らなかった」とし、従業員への就業規則の周知徹底を義務づけた労働基準法に反し、無効だと主張している。

 同校は88年から顧問を務めていた元教諭を解雇、06年に顧問に就いた女性教諭を減給とする一方で、水増し請求を発案した元顧問ら複数の現職教諭に対しては厳重注意処分にとどめたという。

 朝日新聞の取材に対し、同校の上田武男校長は「生徒を指導する立場の教諭が不正をしたので厳しく処分した」と説明。処分に差があることについては「不正に関与した期間の長さで判断した」としている。(宮崎勇作)

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200805160030.html