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2008年05月15日(木) 00時00分

大阪府議会3会派、橋下知事直轄PT案への対案発表朝日新聞

 大阪府議会の自民、民主、公明の3会派は15日、橋下徹知事直轄の改革プロジェクトチーム(PT)が示した1100億円の財政再建案への対案を発表した。いずれもセーフティーネットにかかわる施策の維持を掲げ、新たな歳入確保策を提言した。与野党の主要会派がPT案の見直しで足並みをそろえたことで、橋下知事は6月上旬にまとめる最終案に向け、難しい判断を迫られることになる。

  

 与党の自民案は「福祉、医療、教育など、行政の基本的責務の施策は見直しから省くこと」とし、歳入確保を最優先に取り組むよう求めた。府営住宅の処分予定地(約445億円)の売却前倒しや、府が市町村へ貸し付けている約200億円の繰り上げ返済などを挙げている。浅田均府議団幹事長はこの日、橋下知事に対案を示し、「府の果たすべき役割を守っていただきたい」と要望した。

 公明案では「1100億円の枠での改革を進めるべきだ」としたうえで、基金の繰り入れなどの歳入増と退職手当債発行でPT案より最大330億円多い630億円を確保。これにより歳出削減額は、事業費でPT案より130億円少ない270億円、人件費で最大200億円少ない200億円に抑え、必要な事業を存続させるとした。

 一方、野党の民主案は「府民生活維持と財政再建の二兎(にと)を追う」と主張。新たな歳入増と退職手当債の発行で635億円を確保し、歳出削減は465億円とする試算を提示。「人件費の一律カットは最後の選択」として、歳出削減のうち人件費が占める割合については示さなかった。

 3会派の対案について橋下知事は報道陣に「一時的な歳入確保よりも、削減効果が来年度以降も持続する施策の見直しが根本だ。実現可能性を議論し、最終案を出したい」と述べるにとどまった。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200805150111.html