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2008年05月15日(木) 00時00分

広島訪問したチェ・ゲバラの言葉守り、長女が被爆地へ朝日新聞

 キューバ革命の指導者チェ・ゲバラ(1928〜67)の長女で医師のアレイダ・ゲバラさん(47)が初来日し、15日、広島市を訪れた。49年前に訪れた父と同じように、原爆死没者慰霊碑に献花し、平和記念資料館(原爆資料館)では被爆死した子どもたちの衣服の前で涙を流した。

平和記念公園を訪れ、原爆慰霊碑に献花するアレイダ・ゲバラさん=15日午前、広島市中区、青山芳久撮影

 ゲバラは59年7月、経済使節団長として来日。被爆地訪問に難色を示した日本政府の意向に反して、広島入りを強行した。家族あてのはがきに「平和のために断固として闘うためにはここを訪れるべきだ」と書き残し、死後、それを知ったアレイダさんが父の足跡をたどりたいと訪問を希望。ゲバラの生誕80年を機にNPO法人アテナ・ジャパン(東京)などが招いた。

 中南米やアフリカで医療支援活動を続ける小児科医のアレイダさんは「子どもらに二度と同じことがおきないよう戦争の旗を平和の旗に変えなければならない」と話した。

 アテナ・ジャパンは、原爆投下から約1カ月後の広島の爆心地近くから持ち帰られ、福岡県星野村で絶やさずに守られてきた「平和の火」をキューバに分火する計画を進めており、アレイダさんも協力する。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200805150080.html