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2008年05月15日(木) 12時44分

MySpace.com がアンチスパム訴訟で勝利、賠償金は2億3000万ドルjapan.internet.com

ソーシャル ネットワーク大手の MySpace.com が、アンチスパム訴訟で2億3000万ドルを手にすることになった。これは記録的な金額だ。

MySpace.com の訴えを全面的に認める判決は、自ら「スパム王」と名乗る悪名高い Sanford Wallace 被告と Walter Rines 被告の両名が、12日にカリフォルニア州中部地区連邦地裁に出頭しなかったことを受けて下された。

MySpace.com の最高セキュリティ責任者 Hemanshu Nigam 氏は、声明で次のように述べている。「当社は、われわれのサイトで違法行為を働こうとする者を容赦しない。Wallace 被告と Rines 被告に対する判決について、法廷に感謝するとともに、法律に違反し、当サイト会員に損害を与えようとする者に対しては、これからも厳しい姿勢をとり続けていく」

今回の賠償金額決定には、2003年制定のスパム規制法『CAN-SPAM Act』の規定が考慮に入っている。CAN-SPAM Act では、メッセージ1通あたりの賠償額上限を100ドルと定めている。なお 米連邦取引委員会 (FTC) は12日、消費者が Eメールによるマーケティング メッセージの送信者を特定しやすくするため、CAN-SPAM Act を改正した。

Wallace 被告と Rines 被告は、MySpace.com において他人のページを乗っ取ったり、自分自身のアカウントを開設するなどして、同サイトの会員に70万通を超えるスパムメッセージを送ったとして提訴されていた。

両被告が送信したメッセージは、受信者を第三者のサイトに誘うことを意図したものだった。Wallace 被告と Rines 被告は、そうしたサイトで着信音などの商品を販売して金銭を得たほか、スパムで誘導したトラフィック量に応じて、当該サイトから金銭を受け取った。

連邦地裁は、Wallace 被告と Rines 被告合わせて1億6040万ドルの賠償金を科すとともに、Rines 被告には別途6340万ドルの賠償金支払いを命じた。連邦地裁はまた、両被告がカリフォルニア州のアンチ フィッシング法にも違反したとして罰金150万ドルと、MySpace.com の弁護士費用470万ドルの支払いも命じた。

また今回の判決では、Wallace 被告と Rines 被告に対し、MySpace.com にアクセスしたり、自分たちが当該企業を代表する者ではないと告げることなく MySpace.com 会員から情報を集める行為を禁じる終局差し止め命令も出ている。

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