記事登録
2008年05月14日(水) 03時11分

PCI前社長らを再逮捕 1億4千万円詐欺の疑い朝日新聞

 中国に旧日本軍が遺棄してきた毒ガスなど化学兵器の処理事業に絡んで、その費用を水増し請求し、発注元である内閣府から約1億4100万円をだまし取ったとして、東京地検特捜部は13日、海外での建設コンサルタント大手「パシフィックコンサルタンツインターナショナル(PCI)」(東京都多摩市)の前社長多賀正義容疑者(62)を詐欺容疑で再逮捕した。同じ容疑で当時のPCI部長ら4人も新たに逮捕した。

 これを受けてPCIは同日、遺棄化学兵器処理を含む全事業を順次、停止する方針を明らかにした。今後、会社の清算を検討する見通しだ。

 調べでは、多賀前社長らは、PCIが04年度に受注した事業費を内閣府に請求する際、実際にはPCI社員より単価の低い下請け会社の技術者を使ったのに、PCI社員を使ったかのように装う手法で人件費を水増しし、約1億4100万円をだまし取った疑い。

 新たに逮捕されたのは、いずれも当時のPCI部長の栗原努(56)と久賀伸生(56)、それにPCIの持ち株会社の完全子会社「遺棄化学兵器処理機構」(東京都港区)社長の遠藤博之(68)、同社取締役前田卓(50)の4容疑者。

 また、特捜部は13日、PCIの金約1億2千万円を流用して同社に損害を与えたとして特別背任容疑で逮捕していた4人のうち、同社元社長荒木民生容疑者(71)と同森田祥太容疑者(66)を同罪で起訴。一方、多賀前社長とグループ会社「パシフィックプログラムマネージメント(PPM)」の元取締役(60)については、特別背任容疑での関与は従属的だったとして処分保留とした。

アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/national/update/0513/TKY200805130332.html