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2008年05月14日(水) 15時21分

増殖し続けるシュガー社員が会社を溶かす!ダイヤモンド・オンライン

 シュガー社員とは砂糖のように自分に甘く、自立心に乏しい社員を指す。ブログなど、インターネット上でも「シュガー社員」という言葉が定着している。果たして、その「シュガー社員」の実態とは?

 あるOA機器販売店の話。社員Aさんが突如退職をすることになったのは上司に叱られたことがきっかけだ。ヘソを曲げてから1日も会社に出て来ない。しかも、退職する当日、会社に現れたのは母親だ。手渡された菓子袋には、手土産ではなくAさんの制服が入っていた。

 この「シュガー社員」の名付け親は、「田北社会保険労務士事務所」所長の田北百樹子氏だ。

 社会保険労務士である田北氏は、中小企業経営者や人事担当者などに対するコンサルティング業務も行っている。企業からの「困った」という声を元に、昨年10月に発刊されたのが『シュガー社員が会社を溶かす』(ブックマン社刊)。

 シュガー社員の事例だけでなく、面接時の見分け方から上司や経営者の対処方法まで、法的に認められない事項などの注意点も含めて解説している。先の事例も田北氏に寄せられた相談のひとつだ。

 田北氏はシュガー社員を5つのパターンに分類し解説しているが、なかでも印象的なのが「ヘリ親依存型シュガー社員」。ヘリ親というのはヘリコプター・ペアレンツといって過保護な親を意味する。ヘリコプターのように子供の上空でボバリングし、子供に不都合が発生するとすぐさま垂直降下することからこの名前がついたのだ。

 ヘリ親依存型シュガー社員に頭を痛めている企業は田北氏の事例だけではない。

「新入社員がカッターで指を切ったら親からクレームが来たので驚いた。昔だったらありえない」(電機メーカー/管理者)。

 そのほか、残業をさせたら親から問い合わせの電話がかかってきた、勤務中に親とメールのやり取りを頻繁に行っている社員がいるなど。

 シュガー社員を非難するのはたやすいが、そもそもその背後には親が存在し、影響を与えているところに問題の複雑さがある。

企業はシュガー社員だけでなく、親をもセットで対処を考えなければならないのだ。

社員本人と一対一の関係に、親という第三者が絡むのが当たり前という時代が来るのかもしれない。その兆候がヘリ親依存型シュガー社員に見え隠れする。

(江口陽子)


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