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2008年05月14日(水) 20時23分

<朝鮮総連事件>緒方元長官が無罪を主張 東京地裁毎日新聞

 在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の資金や中央本部の不動産をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた元公安調査庁長官、緒方重威(しげたけ)(73)、元不動産会社社長、満井忠男(74)両被告は14日、東京地裁(林正彦裁判長)の初公判で無罪を主張した。元長官は「無実が証明されると確信しています」と述べた。

 検察側は冒頭陳述で「元長官らは東京・六本木のビルの地上げ事業で多額の資金を必要としていた」と動機を指摘。満井被告から資金詐取を提案された元長官が「私が前面に出るのだから、ギャランティーがないと踏み出せない」と分配を要求したことや、両被告が「投資家が見つからなくても総連を信用させられれば、所有権を移せる」と話し合った経緯などを明らかにした。

 元長官側も冒頭陳述を行い、総連との交渉にかかわった動機について「幼少期に旧満州から帰国した経験から人道的な同情心が芽生えた」と説明。満井被告から入金された分配金については「6月に総連幹部から聞くまで、総連の資金と知らなかった」と反論した。不動産詐欺については、資金調達役の経営コンサルタント、河江浩司被告(43)=分離公判中=が「金は大丈夫。準備できる」と言い続けたことを信用したと主張した。

 公判は来年3月まで計35回の期日が指定されており、(1)元長官らに現金や不動産を詐取する意図があったか(2)元長官と満井被告らの共謀があったか−−が主要な争点になる。【伊藤一郎】

 ▽起訴事実 元長官らは昨年4月、「中国での投資事業を中断する違約金を出してもらえれば中央本部の購入資金に充てられる」とうそを言い、総連から4億8400万円を詐取。同5〜6月には、「資金提供者がいる」と虚偽の話をし、中央本部の土地・建物の所有権を元長官の会社に移転させてだまし取った。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080514-00000121-mai-soci